「東京ゲーム音楽ショー2017」に行ってきました。2014年から開催されている、ゲーム音楽同人イベントです。ぼくは開催の数日前に知ったのですが笑、どうしても見たいイベントがあった。行ってみると結構人がいたので、当日券があって本当に良かった。
菊田裕樹ワークショップ
菊田裕樹
1991年、スクウェア(現スクウェア・エニックス)にサウンド担当として入社し、『ロマンシング サ・ガ』の効果音の作成を担当する。『聖剣伝説2』『聖剣伝説3』『双界儀』などの作曲を手掛けた後に退社し、1997年8月、サクノスを設立した。近年は東京音楽大学(作曲指揮専攻ソングライティングコース、特別招聘講師)で講師を務めている。
引用サイト:菊田裕樹 – Wikipedia
「聖剣伝説2」は死ぬほどやりこみました。いやぁ震えますね。
このイベントで「オレが考えたフィールド曲」という同人CDを販売していたのですが、その収録曲を菊田さんに批評してもらうという恐れ多い企画。タイトル通りゲームのフィールド曲をイメージして作った、コンセプトアルバムです。実際にその場で音源を流して批評されるから、まぁなかなかガチンコですよね笑。
一応みなさんアマチュアなんですが本当に完成度が高くて、「プロが作ってます」って言われても不思議じゃない。菊田さんも褒める場面が多く笑、「強いて言うなら…」という感じで会場も温かい。ぼくも本当に驚きました。3DS「大合奏!バンドブラザーズ」で作ったものすごい完成度の曲、DAWではなく大昔のプログラム言語で作った曲(会場爆笑)など、2時間あっという間に過ぎました。
菊田さんがスクウェアにデモを送った話(ちょっとまずい内容w)、独自のゲーム音楽哲学・理論・アプローチなど目からウロコ。だまっておきたい話ばかりなんですが、どうしても書いておきたいことを何点か。
人の心をどうしたいのか
例えば曲を盛り上げるために転調させる、リズムで雰囲気を変える、変わったコード進行を使うなど、曲作りにおいては何かと「テクニック」が先行しがち。でもそのテクニックを使って「人の心をどうしたいのか」が最優先だから、それを考えて作曲しないとダメ。
「全員深くうなづく(会場はDTMerだらけww)」
わかっちゃいるんだけど、忘れちゃんうんだよな。
一方でスクウェアにデモテープを送った当時、ねらったのではなく自分が良いと思う曲を提出しただけとも話されていました。ちなみにコテコテのプログレの曲だったそうです笑。技術や理論なんて後からどうにでもなるので、自分自身が聞きたい音楽、かっこよいと思う音楽を作っておけばよい。また同席していた作曲家の伊藤翼さんは「審査する人の好みがあるんだから、1回落とされたって気にしなくてよい」とおっしゃっていました。
「聞き手を意識しつつも、自分の音楽を作る」
音楽に携わる者が、大事にしないといけない金言の数々でした。
プロとアマの垣根はなくなってきている
最後に菊田さんもおっしゃっていましたが、「プロとアマの垣根はなくなってきている」。DAW・機材の進化もあり、アマチュアでも高いレベルの曲ができるようになっている。そういう状況でも「プロとアマが交流する機会は大事にしたい」と言ってくれたのは嬉しかった。
しかしプロを目指すアマチュアはどうやって、その垣根を超えればよいのだろうか。むかしはゲーム会社に就職してから独立が一般的だが、今はフリーランスで活動するスタイルも増えた。自由な反面、カリスマ的な作曲家が生まれにくい環境になったと思う。ただそういう中でも活動できている人は多いので、ぜひ話を聞いてみたいものだ。
あ、もちろん購入されていただきました。
ぜひ参加したいなぁ、次の機会狙ってみるか!